インテリジェンス・ニッポン宣言

宣言

 現在の日本をめぐる状況はあのタイタニック号の最期によく似ている。巨大な氷山が近づいているという警告を軽視し、下横腹をこすり損傷した時でさえシャンパングラスが揺れた程度だったので、その後にあれほどの悲劇が起きるとは誰も思わなかった。

 日本は約160年前に明治維新により一気に封建制度から中央集権型の近代国家へ変身した。そしてその約80年後の太平洋戦争敗戦によりGHQ占領下で政治、経済、社会の大きな改革が行われた。確かに高度成長期までは日本の政治経済システムは前向きに機能したが、バブル崩壊後は統治機構を担う政治家、官僚の質の劣化も加わって進むべき指針を失ってしまった。その結果、ひたすら政府が借金をして、さまざまな矛盾をごまかすといった悪手を繰り返している。借金の膨張、少子高齢化への無策、成長力の欠如、人心の荒廃。日本は巨大な危機の瀬戸際にある。

 世界は大きな激動期を迎えている。この国の最大の問題点は、環境が変わっても自らが変化できなくなってしまったことだ。今こそダーウィンの言葉を思い出そう。「生き残る者は最も強いものでもなく、最も賢い物でもない。変化できる者だ!」

 明治維新から敗戦までが約80年、そして敗戦から80年となる2025年は間近に迫っている。そろそろ我々も勇気をもって次の時代の扉を押し開こうではないか。いまやこの国には大変革が必要なのだ。「インテリジェンス・ニッポン」はそのためのメディアである。